※2026年10月時点の情報です。ルールや大会情報は、日本ティーボール協会の公式サイトで最新のものをご確認ください。
みなさん【ティーボール】ってご存知でしょうか?
ティーボールは、ピッチャーがいない野球型のスポーツです。バッティングティー(台)の上に置いた止まっているボールを打つので、小さな子どもでも「打つ楽しさ」をすぐに味わえます。
総合型地域スポーツクラブで働く立場から見ると、ティーボールは「野球をやったことがない子」と「少年野球をしている子」が同じゲームを楽しめる、とても使い勝手のいい種目です。また、子どもが少年野球をしている親としても、野球の入り口としての役割に注目しています。この記事では、日本ティーボール協会の公式情報をもとに、歴史・ルール・道具・始め方までまとめました。
ティーボールとは
日本ティーボール協会は、ティーボールを「投手のいない野球であり、ソフトボールである」と説明しています(出典:日本ティーボール協会「競技規則」)。打者はホームベースの後ろに置いたバッティングティーの上のボールを打ち、そこからは野球・ソフトボールと同じように走って、守って、得点を競います。
ピッチャーの球を打つ必要がないので、空振りが続いて試合が止まることが少なく、打つ・走る・捕る・投げるの基本動作を、試合の中で自然に経験できるのが大きな特徴です。
ティーボールの歴史
協会によると、1988年にIBA(国際野球連盟)とISF(国際ソフトボール連盟)が、初心者の子ども向けに「アメリカ式ティーボール」を共同で考案しました。また、オーストラリアやニュージーランドでは1979年から独自のソフトボールを使ったティーボールが行われていたそうです(出典:日本ティーボール協会「ティーボールとは」)。
日本では、吉村正氏を会長とする「大学スローピッチソフトボール研究会」(1981年発足)が研究を重ね、「国民皆ベース・ボール」を目標に、1993年に「日本式ティーボール」を完成させました。
| 年月 | 主なできごと |
|---|---|
| 1993年11月 | 日本ティーボール協会が発足 |
| 1998年8月 | 第1回 全国小学生(3・4年生)ティーボール選手権大会を開催 |
| 1998年11月 | 学習指導要領の改訂で、止まったボールを打つことも含む「ベースボール型ゲーム」が示される |
| 2001年1月 | 特定非営利活動法人(NPO法人)となる |
| 2008年8月 | 学習指導要領解説で、ティーボールが小学校3・4年生、5・6年生の例示として示される |
| 2013年9月 | インドアティーボールを導入 |
| 2017年3月 | 学習指導要領解説で、再びティーボールが例示される |
| 2019年4月 | SGマーク付きのバット、JTAマーク付きのボールを導入 |
小学校の体育でティーボールを経験した、という人も多いのではないでしょうか(出典:日本ティーボール協会「協会の歩み」)。
ティーボールの特徴・魅力
- 止まったボールを打つから、誰でも打てる:投手がいないので、打席に立てば必ず自分のスイングでボールを前に飛ばすチャンスがあります
- 盗塁なし・スライディングなしで安全:走者は打球が打たれてから塁を離れ、スライディングは禁止。小さな子どもでも安心して走れます
- みんなが試合に出られる:登録選手は全員、1イニング以上守るか1回以上打つことが決められています
- 人数や場所に合わせて調整しやすい:塁間やボールの大きさを変えれば、体育館や幼児向けにもアレンジできます
総合型クラブで働く立場から見ると、「全員が打てる」「全員が出られる」ルールは、体験会やイベントでとても大切なポイントです。上手な子だけが活躍するのではなく、初めての子も1本打って走るだけで「楽しかった!」と言ってくれる。そんな場をつくりやすい種目だと感じています。
ティーボールに関わって感じたこと:低学年でも「打つ楽しさ」を味わえる
私自身もティーボールに関わったことがありますが、小学校低学年の子どもたちには本当にいいスポーツだと感じています。
通常の少年野球だと、低学年のうちはピッチャーがストライクを入れるのが難しく、フォアボールばかりになってしまいがちです。そうなると、バッターはせっかく打席に立ってもバットを振る機会がほとんどなく、打てないまま終わってしまうことが少なくありません。
その点ティーボールは、ティーに置いた止まったボールを打つところから始められるのが大きな魅力です。野球の楽しさのひとつである「打つ」ことを、低学年の子でもしっかり体験できます。
また、少年野球をしている子にとっても、ティーで「自分のスイングで芯に当てる」練習は野球の基本そのもの。野球との相性がよく、兄弟姉妹や友だちを誘って一緒に遊ぶきっかけにもなります。
必要な道具とグラウンド
ティーボールで必要な道具は、バット・ボール・バッティングティーが基本です。協会の規則では、ボールの大きさに応じて塁間などの目安が決められています(出典:日本ティーボール協会「競技規則」)。
| ボール | 塁間 | フェンスまでの距離 | 主な対象 | グラブ |
|---|---|---|---|---|
| インドアボール | 5~10m | なし | 幼児・小学校低学年 | 不要 |
| 11・12インチ(屋内) | 10~14m | 40m以上 | 小学生・中学生以上の女子 | 使用可 |
| 9インチ(屋外) | 16m | 50m以上 | 小学校低学年 | 使用可 |
| 11インチ(屋外) | 16m | 50m以上 | 小学生 | 使用可 |
| 12インチ(屋外) | 16m | 50m以上 | 小学校高学年・中学生以上の女子 | 使用可 |
- バット:2019年から、ティーボール用のSGマーク(製品安全協会認定)付きバットの使用が決められています
- バッティングティー:ホームベースの後方50cm~1mの位置に置きます
- バッターズサークル:ホームベースの角を中心にした半径3mの円。打者が打ち終わるまで、本塁手はこの外で待ちます
ティーボールの基本ルール
ここでは、日本ティーボール協会の競技規則(抄)をもとに基本ルールをご紹介します。細かい点は野球・ソフトボールの公式規則に準じます(出典:日本ティーボール協会「競技規則」)。
チームの人数と守備位置
1チーム10~15人で、両チーム同じ人数で行います。守備につくのは10人です。
- 本塁手(キャッチャーにあたる)
- 一塁手・二塁手・三塁手
- 第1遊撃手・第2遊撃手
- 外野手4人(左翼・左中間・右中間・右翼)
- 守備につかない選手は「エキストラヒッター(打つだけの選手)」として打撃に参加
野球よりも内野・外野の守備位置が1つずつ多いのが特徴です。
打撃のルール
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 審判の「プレイ」の前に打った | 打つのは「プレイ」がかかってから |
| 打つときに軸足を2歩以上動かした | ストライク(2ストライク後は三振) |
| ボールではなくティーだけを打った | 空振りのストライク |
| 2ストライク後のファウル | アウト |
| バント・プッシュバント | 禁止(2ストライク後はアウト) |
走塁のルール
- 走者は打球が打たれてから塁を離れる(離塁が早いとアウト)。盗塁はなし
- スライディングは禁止(した走者はアウト)
- 一塁・二塁・三塁のオーバーランは認められる
- 走者が一塁・二塁・三塁・本塁を順に踏むと1点
試合の進め方
協会の規則では、次の2つの方式が示されています。
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| 全員打撃制 | チーム全員が打ち終わったら攻守交代。2~4イニング |
| 3アウト制 | 3アウトで攻守交代。5~7イニング |
- フェア・ファウルの判定は野球・ソフトボールと同じ。ただし、バッターズサークル内のフェア地域で、ラインに触れたりライン上で止まったりした打球はフェア
- 幼児・小学生の試合ではインフィールドフライは適用しない
- 登録選手は全員、1イニング以上守るか1回以上打つ
- 審判は球審と塁審の2人制(全国小学生大会は3人制)
幼児・低学年向けの「どか点ティーボール」
協会は、幼児や小学1・2年生向けに「どか点ティーボール」というゲームも紹介しています。打者は打ったら塁の外側を全力で走り、守備側は打球を捕って本塁横の指導者に返球します。指導者がボールを本塁のコーンに載せた時点で、打者走者が一塁を回っていれば1点、二塁なら2点、三塁なら3点、本塁を回っていれば4点、2周目の一塁で5点……と、進んだ分がそのまま得点になるルールです(出典:日本ティーボール協会「競技方法」)。
塁間は幼児5m、小学1・2年生10mが目安。打った後はバットをフープやコーンの中に置いてから走ります。「アウトかセーフか」よりも「どこまで行けたか」で点が入るので、初めての子でも達成感を味わいやすいゲームです。
ティーボールの始め方
まずは体験会に参加してみる
高知市では、(公財)高知市スポーツ振興事業団が「ティーボール体験DAY」を開催しています。2026年度は10月25日(日)の第1回に続き、第2回が11月23日(月・祝)に予定されていて、対象は年中児~小学3年生、講師は高知県ティーボール連盟の方です(出典:高知市スポーツ振興事業団「ティーボール体験DAY」)。お住まいの地域の体育館やスポーツクラブでも、体験会が開かれていないかチェックしてみてください。
全国大会を目標にする
小学3・4年生を中心としたチームの全国大会が「全国小学生(3・4年生)ティーボール選手権大会」です。第29回大会は2026年11月29日(日)に開催されることが決まっています(出典:日本ティーボール協会)。
協会が公開している大会要項(案)では、会場は埼玉県所沢市のベルーナドーム(旧西武ドーム)、出場は都道府県予選を経て協会が認めたチームで32チーム、塁間16m・11インチボール・競技者10人・全員打撃制(2または3イニング)とされています(出典:第29回全国小学生ティーボール選手権大会 要項(案)(PDF))。
2025年の第28回大会では神奈川県のサンダースJBCが優勝。2023年・2024年の大会では、愛媛県の松山NORTHベースボールクラブが準優勝していて、四国のチームも活躍しています。
学校や地域でアレンジして遊ぶ
協会は、人数や年齢、会場(体育館など)、用具に合わせてルールを工夫することをすすめています。ボールをやわらかいものに替える、塁間を短くする、全員打撃制にするなど、まずは参加者に合わせた形で始めてみるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 野球やソフトボールとの一番の違いは?
A. ピッチャーがいないことです。止まったボールを打つので打撃の機会が全員に回り、盗塁やスライディングもないため、安全に楽しめます。
Q. 何歳から楽しめますか?
A. 協会の規則には、インドアボールで幼児・小学校低学年が楽しめる目安が示されています。高知市の体験会も年中児から参加できます。
Q. グラブは必要ですか?
A. インドアボールを使う場合は不要です。屋外の9~12インチボールではグラブを使用できます(全国小学生大会ではグラブ使用)。
Q. 少年野球をしている子にも意味はありますか?
A. バットの芯で止まったボールを打つことは、野球のバッティング練習でも基本になる動きです。ティーボールは野球の入り口としても、野球をしている子と未経験の子が一緒に遊ぶ場としても活用できます。
まとめ
- ティーボールは「投手のいない野球であり、ソフトボール」
- 日本式ティーボールは1993年に完成し、同年に日本ティーボール協会が発足
- 学習指導要領解説で小学校体育の例示にもなっている
- 盗塁・スライディング・バントはなし。全員が試合に出られるルール
- 第29回全国小学生ティーボール選手権大会は2026年11月29日(日)開催予定
ティーボールは「打つ楽しさ」をいちばん最初に味わえるスポーツです。総合型クラブで働く立場から見ても、子どもの運動のきっかけづくりや、親子・地域の交流イベントにぴったりの種目だと感じています。
BanBanブログでは、ほかにも誰でも楽しめるスポーツを紹介しています。体育館で気軽にできるソフトバレーボールや、高知県発祥のスカッシュバレー、三世代で楽しめるパークゴルフの記事もぜひご覧ください。
