※2026年10月時点の情報です。ルールや大会情報は、ピックルボール日本連盟(Pickleball Japan)の公式サイトで最新のものをご確認ください。
みなさん【ピックルボール】ってご存知でしょうか?
ここ数年、テレビやSNSで名前を見かけることが増えたピックルボール。アメリカで急成長しているスポーツとして話題になり、日本でも体験会やサークルが少しずつ増えています。
総合型地域スポーツクラブで働く立場から見ると、ピックルボールは「バドミントンコートがあればすぐ始められる」「経験がなくてもラリーが続く」という点で、地域のスポーツ教室にとても取り入れやすい種目です。この記事では、ピックルボール日本連盟(PJ)の公式情報をもとに、歴史・ルール・コート・道具・始め方をまとめました。
ピックルボールとは
ピックルボールは、テニスコートの約3分の1の広さのコートで、パドル(専用ラケット)を使って穴のあいたプラスチックボールを打ち合うスポーツです。テニス・卓球・バドミントンの要素を組み合わせて生まれました(出典:ピックルボール日本連盟「ピックルボールとは」)。
ボールに穴があいているため、強く打っても球速が抑えられ、初心者でもラリーが続けやすいのが特徴です。試合はシングルス(1対1)とダブルス(2対2)があり、主流はダブルスです。
ピックルボールの歴史
ピックルボールは1965年、アメリカ・ワシントン州のベインブリッジ島で誕生しました。国会議員のジョエル・プリチャード氏が、友人のビル・ベル氏、バーニー・マッカラム氏とともに「家族で楽しめるゲームはないか」と考え、使い古したバドミントンコートで卓球用のパドルと穴あきボールを組み合わせて遊んだのが始まりです(出典:ピックルボール日本連盟「歴史」)。
| 年 | 主なできごと |
|---|---|
| 1965年 | ワシントン州ベインブリッジ島で、3人の父親が家族のために考案 |
| 1972年 | 普及のための会社「Pickle-Ball, Inc.」が設立 |
| 1976年 | ワシントン州で最初の公式トーナメントを開催 |
| 1984年 | 全米組織「USA Pickleball Association(USAPA)」が設立され、統一ルールを整備 |
| 2022年 | メジャーリーグ・ピックルボール(MLP)のチームをNBAスターらが買収し話題に |
ちなみに名前の由来には諸説あり、PJは、寄せ集めのメンバーで組むボート「ピクルボート」が由来という説を最も有力として紹介しています。よく知られる「飼い犬のピックルズ説」は、犬が家族に加わったのが誕生の3年後(1968年)のため、由来ではないと考えられているそうです。
ピックルボールの特徴・魅力
PJの紹介によると、アメリカの競技人口は2024年に1,980万人に達し、過去3年で311%増えたとされています(出典:SFIA、ピックルボール日本連盟経由)。人気の理由として、PJは次のような点を挙げています。
- ルールが簡単:初心者でも数分で試合ができるようになる
- 体への負担が軽い:コートが小さく移動距離が少ない
- ラケット競技の経験が活きる:テニスやバドミントン経験者もすぐに馴染める
- コミュニケーションが楽しい:ダブルスが基本
- 場所を選ばない:屋内外どちらでもでき、既存のテニスコートやバドミントンコートを転用しやすい
総合型クラブで働く立場から見ると、「緩すぎず激しすぎない運動量」というのが一番の魅力だと思います。体育館のバドミントンコートをそのまま使えるので、新しく施設を用意しなくても教室を始めやすく、親子やシニア世代を含めた多世代での交流にも向いています。卓球経験のある方なら、同じく生涯スポーツとして人気のラージボール卓球と並べて楽しむのもおすすめです。
コートと道具
コートの大きさ
ピックルボールのコートは、バドミントンのダブルスコートと同じ6.1m×13.41m。シングルスもダブルスも同じコートを使います(出典:ピックルボール日本連盟「コート」)。
| 項目 | サイズ |
|---|---|
| コート全長 | 13.41m |
| コート全幅 | 6.1m(シングルス・ダブルス共通) |
| サービスエリア(片側) | 3.05m×4.57m |
| キッチン(ノンボレーゾーン) | ネットから両側に2.13m(センターラインなし) |
| ネットの高さ | サイド91cm・中央約86cm |
ネットの中央がサイドよりわずかに低いのは、バドミントンやテニスにはないピックルボールならではのポイントです。
ボールとパドル
ボールは穴のあいたプラスチック製で、屋内用と屋外用があります。PJは、USA Pickleballの公式ルールブックに基づいて次の規格を紹介しています。
| 項目 | 規格 |
|---|---|
| 直径 | 7.29~7.54cm |
| 重さ | 22.1~26.5g |
| 穴の数 | 26~40個の円形の穴 |
| バウンドの高さ | 198cmから落として76~86cm跳ね返る |
パドルは木製や複合素材製などさまざまで、卓球のラケットより一回り大きく、テニスラケットより小ぶりな板状の形をしています。運動できる服装と室内シューズ(屋外ならコートに合ったシューズ)があれば、体験会ではパドルやボールを借りられることが多いので、まずは手ぶらで参加してみるといいでしょう。
ピックルボールの基本ルール
ここでは、PJの「ルール」ページをもとに、ダブルスの基本的な流れを紹介します(出典:ピックルボール日本連盟「ルール」)。
サーブ
- サーブはアンダーハンドのみ。腰より低い位置で、下から上へ振り抜く
- 一度地面でバウンドさせてから打つ「ドロップサーブ」もOK
- ベースラインの後ろから、対角線上の相手のサービスエリアをねらって打つ
- ラインを踏んだりコートに足が入ったりすると「フットフォルト」
得点の数え方(サイドアウト制)
ピックルボールは、サーブ側のチームだけが点を取れる「サイドアウト制」です。レシーブ側がラリーに勝っても点は入らず、サーブ権が移るだけです。
- 1ゲームは11点先取・2点差がついたら勝ち(10対10からは2点差がつくまで続く)
- 大会によっては15点先取や2ゲーム先取制もある
- 得点は「サーブ側の得点-レシーブ側の得点-何人目のサーバーか」の3つの数字でコールする(例:3-1-2)
- 各ゲームの最初は、サーブ側の1人しか打てないため「0-0-2」から始まる
- 自チームの得点が偶数なら右側、奇数なら左側からサーブ
ツーバウンドルール
サーブされたボールは、相手コートで1回バウンドしてから返球します。さらに、そのリターンも自分のコートで1回バウンドさせてから打ちます。つまり、サーブとその次のリターンは、どちらもノーバウンドで打ち返せません。このルールのおかげで、いきなりネット際に詰めて決めるプレーができず、ラリーが自然と続きます。
キッチン(ノンボレーゾーン)
ネットの両側、奥行き2.13mのエリアが「ノンボレーゾーン」、通称「キッチン」です。ここに足や手、パドルが触れた状態でボレー(ノーバウンドで打つこと)をすると反則になります。ボールがキッチン内でバウンドした後なら、中に入って打っても問題ありません。キッチンを囲むラインもキッチンの一部です。
主な反則(フォルト)
| 反則 | 内容 |
|---|---|
| ノンボレーゾーン侵入 | ゾーン内に足・手・パドルが触れた状態でボレーする |
| アウトオブバウンズ | ボールがコートのライン外に落ちる |
| ネットタッチ | ボールがネットを越えない、または体やパドルがネットに触れる |
| ツーバウンドルール違反 | サーブとその次のリターンで、バウンドを待たずにボレーする |
| フットフォルト | サーブ時にベースラインやサイドラインを踏み越える |
ボールが少しでもラインに触れていれば「イン」です。
ピックルボールの始め方
体験会・サークルを探す
一番手軽なのは、地域の体験会やサークルに参加することです。高知県内でも、たとえば仁淀川町観光協会のサイトで、2026年11月3日に仁淀川町と中土佐町の交流イベントとしてピックルボール交流会の開催が告知されています(出典:によどがわ.TV「ピックルボール交流会」)。お住まいの市町村の体育館やスポーツクラブ、SNSで「ピックルボール 体験会」と検索してみてください。
大会を観る・目指す
PJ主催の「第3回 PJピックルボールチャンピオンシップス2026」は、2026年12月7日~11日に東京都の有明テニスの森で開催予定です(出典:ピックルボール日本連盟「第3回 PJピックルボールチャンピオンシップス2026」)。ほかの大会情報はPJの大会情報ページで確認できます。
施設・クラブで導入する
バドミントンコートのラインがそのまま使え、テニスコートなら1面に専用ラインを引くことで複数面のコートを作れる、とPJは紹介しています。用具をいくつか揃えれば、既存の体育館で教室を始めやすい種目です。
よくある質問
Q. テニスやバドミントンの経験がなくてもできますか?
A. できます。ボールの球速が抑えられ、サーブもアンダーハンドだけなので、初心者でもラリーが続けやすいスポーツです。
Q. 何人いればできますか?
A. シングルスなら2人、ダブルスなら4人です。主流はダブルスです。
Q. 「キッチン」ではボールを打てないのですか?
A. 打てます。禁止されているのはキッチン内に触れた状態での「ボレー(ノーバウンドで打つこと)」だけで、キッチン内でバウンドした後なら中に入って打ってもOKです。
Q. 体育館のバドミントンコートで代用できますか?
A. コートの外形はバドミントンのダブルスコートと同じ6.1m×13.41mです。キッチンのライン(ネットから2.13m)やネットの高さはバドミントンと異なるので、本格的に行う場合はラインテープや専用ネットを用意しましょう。
まとめ
- ピックルボールは1965年にアメリカ・ワシントン州で生まれたラケットスポーツ
- コートはバドミントンのダブルスと同じ6.1m×13.41m
- サーブはアンダーハンドのみ、得点はサーブ側だけが取れるサイドアウト制、11点先取
- ツーバウンドルールとキッチン(ノンボレーゾーン)がラリーを長く続けるポイント
- 体験会ではパドルを借りられることも多く、手軽に始められる
ピックルボールは「簡単・シンプル・スタイリッシュ」と紹介されるとおり、初めてでもすぐにゲームを楽しめるスポーツです。総合型クラブで働く立場から見ても、世代を問わずに一緒に楽しめる、これからの地域スポーツの選択肢として期待しています。
BanBanブログでは、ほかにも生涯スポーツを紹介しています。ラージボール卓球やソフトバレーボールの記事もあわせてご覧ください。
