スポーツの祭典といえば、4年に1度開催されるオリンピック・パラリンピックを連想される方が多いのではないでしょうか。
私も『スポーツの祭典といえば?』と聞かれると間違いなく『オリンピック・パラリンピック』と答えるでしょう。
実はそんなオリンピック・パラリンピック大会の翌年に【もうひとつのスポーツの祭典】と呼ばれる国際スポーツ競技大会が開催されていることをご存知でしょうか?
昨年2021年、日本で東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。
そして今年2022年に開催されるのが、今回是非知ってもらいたいのが
【WorldGemes(ワールドゲームズ)】
です!
目次
WorldGemes(ワールドゲームズ)とは?
【WorldGemes(ワールドゲームズ)】をものすごく簡単に説明すると、
オリンピックに採用されていない競技種目で世界最高水準のアスリートが競い合う国際大会
です。なのでみんなが知っているようなメジャー競技もあれば、初めて聞くようなマイナー競技も多数行われます。
歴史
1980年、オリンピック競技に入っていない12の国際スポーツ連盟により世界大会評議会を設立することが決定される。
1981年にはアメリカのサンタクララで第1回大会が開催され、その後1984年に現在の【国際ワールドゲームズ協会】に改名されました。
設立された背景には、オリンピックは回を重ねるごとに規模が拡大し、新たな競技種目を追加していくことが難しくなっていきました。そこでオリンピック競技になっていない種目でも、オリンピックに匹敵する世界的な大会を開催し、人々やメディアの関心を集めようという動きが出てきたのです。
競技によっては、トライアスロン・バドミントン・野球・テコンドー・などのようにワールドゲームズ競技の中からオリンピック競技へと正式採用されたものもあります。
ワールドゲームズでは象徴的存在となっている綱引きも、かつてはオリンピックの正式競技でした。
東京オリンピックでは、空手・野球・ソフトボール・スケートボード・スポーツクライミング・サーフィンがワールドゲームズ競技から採用されてます。
国際オリンピック委員会(IOC)との関係
1989年の第3回大会から国際オリンピック委員会(IOS)の後援を受ける。
2000年にはIOCが今後、恒久的にワールドゲームズを支援する旨の覚書の調印が行われ、『ドーピングテストの費用負担』『知識・技術面での支援・援助』『各国オリンピック委員会にワールドゲームズの参加者を支援するよう要請』などの支援を恒久的に行うことになりました。
2016年には2000年に締結した覚書に記された内容をさらに強化する改訂版覚書の締結も行われました。
開催実績
第1回:1981年
サンタクララ(アメリカ)
参加国数:58カ国
参加選手数:1546人
実施競技数:16競技(公式競技15/公開競技1)
(公式競技)バドミントン、野球(ソフトボール含む)、ボディービルディング、ボウリング、キャスティング、フィンスイミング、空手、パワーリフティング、ラケットボール、ローラースポーツ、ソフトボール、テコンドー、綱引き、体操、水上スキー/(公開競技)水球
日本のメダル実績
🥇金メダル7(空手5、パワーリフティング2)
🥈銀メダル4(空手4)
🥉銅メダル5(バドミントン2、空手3)
第2回:1985年
ロンドン(イギリス)
参加国数:51カ国
参加選手数:1370人
実施競技数:競技(公式競技20/公開競技1)
(公式競技)アーチェリー、ボディービル、ブールスポーツ、ボウリング、キャスティング、フィンスイミング、ファウストボール、体操、空手、コーフボール、ライフセービング、ネットボール、パワーリフティング、ラケットボール、ローラースポーツ、ソフトボール、サンボ、テコンドー、綱引き、水上スキー/(公開競技)モーターサイクル
日本のメダル実績
🥇金メダル5(空手4、パワーリフティング2)
🥈銀メダル1(空手1)
🥉銅メダル2(空手2)
第3回:1989年
カールスルーエ(ドイツ)
参加国数:50カ国
参加選手数:1206人
実施競技数:競技(公式競技17/公開競技2)
(公式競技)アーチェリー、ボディービル、ブールスポーツ、ボウリング、サイクリング、フィンスイミング、ファウストボール、体操、空手、コーフボール、ライフセービング、ネットボール、パワーリフティング、ローラースポーツ、サンボ、テコンドー、綱引き、水上スキー/(公開競技)合気道、バーンゴルフ
日本のメダル実績
🥇金メダル2(空手2)
🥈銀メダル4(空手2、パワーリフティング2)
🥉銅メダル7(空手7)
第4回:1993年
ハーグ(オランダ)
参加国数:67カ国
参加選手数:1604人
実施競技数:競技(公式競技21/公開競技4)
(公開競技)アーチェリー、ボディービルディング、ブールスポーツ、ボウリング、キャスティング、フィンスイミング、ファウストボール、体操、空手、コーフボール、ライフセービング、ネットボール、パワーリフティング、ラケットボール、ローラースポーツ、サンボ、テコンドー、トライアスロン、綱引き、バレーボール、水上スキー/(公開競技)合気道、乗馬、綱引き、水上スキー(ベアフット)
日本のメダル実績
第5回:1997年
ラハティ(フィンランド)
参加国数:70カ国
参加選手数:1556人
実施競技数:競技(公式競技20/公開競技6)
(公式競技)エアスポーツ、アーチェリー、ボディービルディング、ブールスポーツ、ボウリング、キャスティング、ダンススポーツ、フィンスイミング、ファウストボール、体操、柔術、空手、コーフボール、ライフセービング、パワーリフティング、ローラースポーツ、スカッシュ、綱引き、水上スキー、ウエイトリフティング/(公開競技)合気道、ブールスポーツ(スポールブール)、フロアボール、ミリタリーペンタスロン、ペサパッロ、綱引き(室内)
日本のメダル実績
🥇金メダル6(ボディービル2、空手4)
🥈銀メダル3(エアスポーツ1、空手2)
🥉銅メダル5(ボウリング1,空手4)
第6回:2001年
秋田県(日本)
参加国数:80カ国
参加選手数:1968人
実施競技数:競技(公式競技22/公開競技5)
(公開競技)エアスポーツ、アーチェリー、ビリヤード、ボディービルディング、ブールスポーツ、ボウリング、キャスティング、ダンススポーツ、フィンスイミング、ファウストボール、フライングディスク、体操、柔術、空手、コーフボール、ライフセービング、オリエンテーリング、パワーリフティング、ローラースポーツ、ラグビー、綱引き、水上スキー/(公開競技)合気道、ゲートボール、ハンドボール、相撲、綱引き(室内)
日本のメダル実績
🥇金メダル9(空手6、ライフセービング1,パワーリフティング1、水上スキー1)
🥈銀メダル6(エアスポーツ1、ボディービル2、空手3)
🥉銅メダル10(ボディービル1、フライングディスク1、体操1、空手2、ライフセービング2、パワーリフティング1、綱引き1、水上スキー1)
第7回:2005年
デュイスブルク(ドイツ)
参加国数:93カ国
参加選手数:2456人
実施競技数:競技(公式競技26/公開競技6)
(公開競技)エアスポーツ、アーチェリー、ビリヤード、ボディービルディング、ブールスポーツ、ボウリング、カヌー、キャスティング、ダンススポーツ、フィンスイミング、ファウストボール、フライングディスク、体操、柔術、空手、コーフボール、ライフセービング、オリエンテーリング、パワーリフティング、ローラースポーツ、ラグビー、スポーツクライミング、スカッシュ、相撲、綱引き、水上スキー/(公開競技)合気道、アメリカンフットボール、ドラゴンボートレース、ハンドボール、インドアホッケー、オートバイ
日本のメダル実績
🥇金メダル4(空手1、相撲3)
🥈銀メダル8(キャスティング1、空手2、相撲4、綱引き1)
🥉銅メダル6(エアスポーツ1、カヌー1、体操1、相撲3)
第8回:2009年
高雄(チャイニーズタイペイ)
参加国数:84カ国
参加選手数:2305人
実施競技数:競技(公式競技25/公開競技5)
(公開競技)エアスポーツ、アーチェリー、ビリヤード、ボディービルディング、ブールスポーツ、ボウリング、カヌー、ダンススポーツ、フィンスイミング、ファウストボール、フライングディスク、体操、柔術、空手、コーフボール、ライフセービング、オリエンテーリング、パワーリフティング、ラケットボール、ローラースポーツ、スポーツクライミング、スカッシュ、相撲、綱引き、水上スキー/(公開競技)ドラゴンボートレース、ハンドボール、ソフトボール、チュックボール、武術
日本のメダル実績
🥇金メダル4(体操1、スポーツクライミング1、相撲2)
🥈銀メダル5(フライングディスク1、空手1、パワーリフティング1、相撲2)
🥉銅メダル6(ボディービル2、空手3、水上スキー1)
第9回:2013年
カリ(コロンビア)
参加国数:91カ国
参加選手数:2730人
実施競技数:競技(公式競技26/公開競技5)
(公開競技)エアスポーツ、アーチェリー、ビリヤード、ブールスポーツ、ボウリング、カヌー、ダンススポーツ、フィンスイミング、ファウストボール、フライングディスク、体操、ハンドボール、柔術、空手、コーフボール、ライフセービング、オリエンテーリング、パワーリフティング、ラケットボール、ローラースポーツ、ラグビー、スポーツクライミング、スカッシュ、相撲、綱引き、水上スキー/(公開競技)カヌー(マラソン)、ソフトボール、デュアスロン、ローラースポーツ、武術
日本のメダル実績
🥇金メダル5(空手5、相撲2)
🥈銀メダル1(水上スキー1)
🥉銅メダル4(空手1、パワーリフティング1、相撲2)
第10回:2017年
ヴロツワフ(ポーランド)
参加国数:111カ国
参加選手数:3033人
実施競技数:競技(公式競技27/公開競技4)
(公開競技)エアスポーツ、アーチェリー、ビリヤード、ブールスポーツ、ボウリング、カヌー、ダンススポーツ、フィンスイミング、ファウストボール、フロアボール、フライングディスク、体操、ハンドボール、柔術、空手、コーフボール、ラクロス、ライフセービング、ムエイタイ、オリエンテーリング、パワーリフティング、ローラースポーツ、スポーツクライミング、スカッシュ、相撲、綱引き、水上スキー/(公開競技)アメリカンフットボール、キックボクシング、インドアローイング、スピードウェイ
日本のメダル実績
🥇金メダル9(体操1、空手4、ライフセービング1、スポーツクライミング2、水上スキー1)
🥈銀メダル6(空手2、パワーリフティング1、スポーツクライミング2、相撲1)
🥉銅メダル7(アーチェリー1、ビリヤード1、体操1,柔術1、空手1、相撲2)
実施される競技は?
実施される競技種目は、国際ワールドゲームズ協会(IWGA)加盟競技団体からの申請をものとにIWGA理事会が、オリンピックに採用されていない競技かつ、開催地の既存施設で開催できること、世界的に普及しており世界選手権大会が定期的に行われていることなどを基本条件に決定される。
開催地によって実施される競技が異なるなるのも上記の基本条件があるからである。
大会期間中には公式競技と公開競技が実施され、日頃なじみ深いスポーツから目新しいスポーツまで、さまざまな競技で熱戦が繰り広げられます。
競技種目
公式競技
ARTISTIC AND DANCE SPORTS(芸術的ダンススポーツ)
BALL SPORTS(球技)
- 野球・ソフトボール
- カヌー
- ファウストボール
- フロアボール
- ハンドボール
- ホッケー
- コーフボール
- ラクロス
- ネットボール
- ラケットボール
- ラグビー
- スカッシュ
MARTIAL ARTS(武道)
- 合気道
- 柔術
- 空手
- キックボクシング
- ムエイタイ
- サンボ
- 相撲
- 武術
PRECISION SPORTS(プレシジョンスポーツ)
- アーチェリー
- ビリヤード
- ブールスポーツ
- ボウリング
- キャスティング
STRENGTH SPORTS(ストレングススポーツ)
TREND SPORTS(トレンドスポーツ)
- エアースポーツ
- カヌー
- フライングディスク
- ライフセービング
- オリエンテーリング
- ローラースポーツ
- スポーツクライミング
- サーフィン
- フィンスイミング
- 水上スキー&ウエイクボード
公開競技
公開競技は開催場所となる国や地域で盛んなスポーツや伝統的なスポーツが実施されます。
そのため、日本が開催地となった2001年大会では、伝統なスポーツとして相撲やゲートボールなどが公開競技として実施されました。
オリンピック競技となった種目
- バドミントン
- 野球
- ソフトボール
- テコンドー
- ビーチバレーボール
- 女子ウエイトラフティング
- トライアスロン
- 7人制ラグビー
2021年東京オリンピックではワールドゲームズ競技から、空手・スケートボード・野球・ソフトボール・スポーツクライミング・サーフィンが追加採用され大好評でしたね。
2022年のWorldGamesについて
開催地
パーミングハム(アメリカ)
期間
2022年7月7日〜7月17日
開会式7月7日/閉会式7月17日
開催種目
公式競技
- エアースポーツ
- アーチェリー
- ビリヤード
- プールスポーツ
- ボウリング
- カヌー
- ダンススポーツ
- フィストスポーツ
- フロアボール
- フライングディスク
- 体操
- ハンドボール
- 柔術
- 空手
- キックボクシング
- コーフボール
- ラクロス
- ライフセービング
- ムエイタイ
- オリエンテーリング
- パワーリフティング
- ラケットボール
- ローラースポーツ
- ソフトボール
- スポーツクライミング
- スカッシュ
- 相撲
- 綱引き
- ファンスイミング
- 水上スキー&ウエイクボード
公開競技
- デュアスロン
- フラッグフットボール
- ラクロス(男子)
- 車椅子ラグビー
- 武術
次回以降の大会情報
第12回(2025年)
成都(中国)
2025年8月7日〜17日
第13回(2029年)
未定
まとめ
オリンピック・パラリンピックは大会、競技ともに知名度があり知っている方も多いでしょう。
しかし、この第2のオリンピックとも言われるワールドゲームズに関しては今回初めて知った方も少なくはないでしょう。
日本ではメジャーなスポーツもあれば、余り知られていないスポーツまで幅広い競技が行われているのがこのワールドゲームズの魅力の一つと言えるでしょう。
また日本で開催してほしいですね!