※2026年11月時点の情報です。持病がある方、痛みやしびれがある方、通院中の方は、ストレッチを始める前に医師にご相談ください。
こんにちは、神乃です。
「前屈しても手が床に届かない」「最近、体が硬くなった気がする」。30〜40代になると、そんなふうに感じる場面が増えてきませんか?
私自身も、年齢とともに体が硬くなった感じがしていました。この記事では、体が硬い人がこれから始めるための「柔軟性を高める日常のストレッチ」について、公的な情報をもとに基本のやり方と続け方をまとめました。私が実際にやってみて感じたことも交えてお伝えします。
なお、運動の前に体を温めて動きやすくする準備運動(動的ストレッチ)については、筋トレ前の準備運動の記事で詳しく紹介しています。この記事では、ふだんの生活の中で、じっくり伸ばして柔軟性を高めるストレッチを中心に解説します。
ストレッチで期待できること
e-ヘルスネット(厚生労働省)によると、ストレッチングは意図的に筋や関節を伸ばす運動で、体の柔軟性を高めるのに効果的とされています。ヨガやピラティスもこの運動の範囲に含まれます(出典:e-ヘルスネット「ストレッチングの効果」)。
- 柔軟性が高まる:関節の動く範囲(関節可動域)が広がる
- リラックス効果:全身の筋を順番に伸ばすストレッチングの前後で、自律神経のバランスが副交感神経優位に変化することが報告されている
- 手軽にできる:広い場所や道具がなくても行える
また、ストレッチングは2〜3メッツの強度があり、筋温や体温を高める効果もあるとされています(出典:同上)。健康長寿ネットでも、座りっぱなしなど同じ姿勢が続くと筋の柔軟性に偏りが出て、硬くなった部分では動きが制限されると説明されています(出典:健康長寿ネット「ストレッチングの目的・効果・種類」)。デスクワークが多い30〜40代こそ、意識して伸ばしたいですね。
体が硬い人のためのストレッチの基本ルール
体が硬い人ほど、「早く柔らかくなりたい」と力任せに伸ばしてしまいがちです。でも、ストレッチは正しいやり方で行わないと、効果が十分に得られないこともあります。e-ヘルスネットでは、静的ストレッチングを行う際の原則として次の5つが挙げられています(出典:e-ヘルスネット「ストレッチングの実際」)。
① 20秒以上かけて伸ばす
最初の5〜10秒程度は「ちょうどいい伸ばし具合を決めるための時間」なので、20秒以上かけて伸ばすのが原則です。厚生労働省の働く人向けの資料では「10〜30秒間伸ばし続ける」とされています(出典:厚生労働省 こころの耳「ストレッチングとは?」(PDF))。最初は20秒を目安にするとよいでしょう。
② 伸ばしている部位を意識する
「今、太ももの裏を伸ばしている」というように、伸びている場所に意識を向けます。
③ 痛くなく、気持ちよい程度に伸ばす
痛いほど伸ばすと伸張反射が働いて、かえって筋が硬くなり、効果が下がってしまいます。健康長寿ネットでも、痛みがある部位を過度に伸ばす「オーバーストレッチ」は筋を痛める原因になるとされています(出典:健康長寿ネット)。
④ 呼吸を止めない
お腹を圧迫するような姿勢では呼吸が止まりがちで、血圧が上がる場合があります。ゆっくりと深い呼吸には緊張を和らげる効果もあるので、自然に呼吸を続けましょう。
⑤ 目的に合わせて部位を選ぶ
全身をくまなく伸ばそうとすると何時間もかかってしまいます。「股関節まわり」「肩まわり」など、自分が硬いと感じる場所や、目的に合わせて部位を選びましょう。
加えて、健康長寿ネットでは反動をつけないことも注意点に挙げられています。勢いをつけて伸ばすと、筋の中のセンサー(筋紡錘)が働いて反射的に筋が縮んでしまうためです(出典:健康長寿ネット)。
いつ行う?おすすめのタイミング
健康長寿ネットでは、起床後や運動前は動的ストレッチ、就寝前や運動後は静的ストレッチが適しているとされています(出典:健康長寿ネット)。じっくり伸ばして柔軟性を高めるストレッチは、夜のリラックスタイムに取り入れるのがおすすめです。
私の場合、ストレッチはテレビを観ながらやることが多かったです。テレビを観ている時間なら「ついでに伸ばす」感覚でできるので、私のように毎日の習慣と組み合わせると続けやすいと思います。
体が硬い人向け・家でできる基本のストレッチ
ここでは、体が硬い人でも取り組みやすい、床に座ったまま・寝たまま・壁を使ってできるストレッチを紹介します。どれも上の基本ルール(20秒以上・痛くない範囲・呼吸を止めない・反動をつけない)を守って行いましょう。
太ももの裏
床に座って片脚を前に伸ばし、もう片方の膝は曲げます。背すじを伸ばしたまま、伸ばした脚のつま先のほうへ上体をゆっくり倒します。手がつま先に届かなくても大丈夫。太ももの裏が気持ちよく伸びたところで止めます。
股関節・内もも
床に座って両足の裏を合わせ、かかとを体に近づけられる範囲で引き寄せます。背すじを伸ばし、息を吐きながら上体を少し前に倒します。膝を手で強く押し下げないようにしましょう。
お尻
仰向けに寝て、片方の足首を反対側の膝の上に乗せ、下の脚の太ももを両手で抱えて胸のほうへゆっくり引き寄せます。お尻が伸びているのを感じたら止めます。
胸・肩まわり
座ったまま、両手を体の後ろで組み、胸を開くように肩甲骨を寄せます。肩がすくまないように、首の力を抜いて行いましょう。
ふくらはぎ
壁に両手をつき、片脚を後ろに引いてかかとを床につけたまま、前の膝をゆっくり曲げます。後ろ脚のふくらはぎが伸びるのを感じたら止めます。
※やり方は一般的な例です。痛みやしびれが出る場合はすぐに中止してください。
私がヨガ・ストレッチを続けて感じたこと
私はヨガを始めてから、股関節まわりの可動域が広がった感じがしました。1カ月ほど続けたころには、体がそれまでより柔らかくなったと感じられるようになりました。ヨガはヨガマットがあれば家でもできるので、雨の日など外で運動できない日によくやっています(寒い季節でも運動を続けるコツでも紹介しています)。
そして、体が柔らかくなって運動のパフォーマンスが上がったのも実感したことのひとつです。
※これはあくまで私個人の感想で、感じ方や変化には個人差があります。
e-ヘルスネットでも、ストレッチングは単独で行うよりも、有酸素性運動や筋力トレーニングなどと併せて行うと、よりよい効果が期待できるとされています(出典:e-ヘルスネット「ストレッチングの実際」)。ストレッチに慣れてきたら、大人になってからでも始められるスポーツ5選で紹介しているような運動にもぜひチャレンジしてみてください。
こんなときは無理をしない
ストレッチは強度が低く安全な運動とされていますが、e-ヘルスネットでは、正しい方法で行わなければ効果が十分に期待できないとも説明されています(出典:e-ヘルスネット「ストレッチングの実際」)。また、運動全般の注意として、毎回の運動前に体調を確認すること、運動中に胸痛・動悸・めまいやふらつき・冷や汗・関節や筋肉の強い痛みなどの異変を感じたら、直ちに中止することが挙げられています(出典:e-ヘルスネット「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」)。
- 体調がすぐれない日は無理をしない
- 伸ばしている途中で痛みやしびれが出たら、すぐにやめる
- ケガをしている部位や、痛みが続いている部位は伸ばさず、医療機関に相談する
「今日はここまで」と早めに切り上げるくらいが、長く続けるコツです。
続けるためのコツ
- 「ながら」で行う:テレビを観ながら、お風呂上がりにリビングでなど、毎日の習慣とセットにする
- 部位をしぼる:全部やろうとせず、まずは硬いと感じる1〜2カ所から
- 比べない:ストレッチは誰かと競争するものではありません。昨日の自分より少しでも伸びれば十分
- 変化をメモする:前屈で手がどこまで届くかなど、ときどき確認すると変化に気づきやすい
※続けるためのコツは、筆者の経験と一般的な工夫をまとめたものです。
よくある質問
Q. 体が硬すぎて、本やネットのお手本のポーズができません。
お手本と同じ形にならなくても大丈夫です。大切なのは、伸ばしている部位を意識しながら、痛くなく気持ちよい程度で20秒以上伸ばすことです。
Q. 運動の前にもじっくり伸ばすストレッチをしたほうがいいですか?
運動前は、体を動かしながら行う動的ストレッチが向いているとされています(出典:健康長寿ネット)。運動前の準備運動は準備運動の記事を参考にしてください。じっくり伸ばすストレッチは、運動後や就寝前がおすすめです。
Q. 痛いくらい伸ばしたほうが早く柔らかくなりますか?
いいえ。痛いほど伸ばすと伸張反射が働き、かえって筋が硬くなって効果が下がるとされています。「痛くなく、気持ちよい程度」を守りましょう。
Q. ヨガとストレッチは違うものですか?
e-ヘルスネットでは、ヨガやピラティスもストレッチングの範囲に含まれると説明されています。私のように、ヨガから始めてみるのもひとつの方法です。
まとめ
- ストレッチングは体の柔軟性を高めるのに効果的。リラックス効果も報告されている
- 静的ストレッチは20秒以上、痛くなく気持ちよい程度で、呼吸を止めず、反動をつけずに
- 運動前は動的ストレッチ(準備運動)、就寝前や運動後はじっくり伸ばす静的ストレッチ
- テレビを観ながらなど「ながら」で習慣にすると続けやすい
- ストレッチだけでなく、有酸素運動や筋トレと組み合わせるとよりよい効果が期待できる
年齢とともに体が硬くなったと感じても、今日から少しずつ伸ばしていけば大丈夫です。まずはテレビを観ながら、1カ所20秒から始めてみませんか。
