体育館床の正しいメンテナンス方法~3ステップ~

正しくメンテナンスされている体育館の床
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こんちには神乃です。

今回は体育館の床についてお話しさせていただきます。

体育館の床はこうして綺麗に保たれております。

是非最後までお付き合いください。

目次

~ステップ①~ 毎日の清掃方法

まずは日々のやるべき項目をご説明いたします。

毎日のルーティンにすることで床は綺麗に保たれ、事故などの事前防止にも繋がるので必ずやりましょう。

~モップ掛け~

床の清掃でモップ掛けは基本というより当たり前ですよね。

その基本のモップ掛けにも、かけるべきタイミング正しい掛け方があるのをご存知でしょうか?

この2つのコツを解説します。

モップ掛けのタイミングとは?

まずはモップを掛けるべきタイミングです。

その
競技の使用後

このタイミングでのモップ掛けは使用者にお願いしている施設が多いのではないでしょうか。

使用後は汗や小さなゴミなどが落ちます。このタイミングで綺麗に拭きとってあげてください。

その
使用前

使用前?と思われる方もいるかもしれませんが、詳しく言うと開館前となります。

なぜかというと、使用後軽い埃などは宙を舞っています。

その宙を舞っている埃は夜中にゆっくりと舞い落ち、床に溜まっていきます。

なので朝一、出来れば誰も使用者のいない間にその埃を拭き取ってあげましょう。

モップの正しい掛け方

板の目に沿ってⓈから順に往復していきます。その際、ふき取った埃を端に着くたびに叩き落としおきます。

最後に端をグルっと一周Ⓖにむけ叩き落とした埃をかき集めていくと綺麗に仕上がりです。

床のチェック

床の異変にいち早く気付く為には日々のチェックはとても重要でしょう。

チャック項目としては下記3グループの15箇所です。

床面塗装のチェック

  • 床面はすべり過ぎていないか
  • 床面のグリップは効き過ぎていないか
  • 塗装面の光沢が減少していないか
  • 塗装面は摩耗していないか
  • コートラインは剥がれていないか

フローリングのチェック

  • 傷・割れ・ささくれはないか
  • 反り・浮きなどはないか
  • 木栓(ダボ)の浮き・抜けはないか
  • 床鳴りする場所はないか
  • 緩み・たわみはないか
  • ラバーマーク等の汚れはないか
  • ボールが適正に弾むか

金具類のチェック

  1. 緩み・ズレはないか
  2. 器具のグラつき等はないか
  3. サビついていないか

私の勤めている施設でも下記の表を使用しチェック☑をしています。

体育館床のチェック表

もちろん施設の内容や配置などによって中身が変わってくる箇所もあると思いますが、参考にご利用ください。

やってははいけない事(禁止事項)

スポーツフロア・体育館の床は大半が木製床です。

そして体育館などの木製床には専用のポリウレタン樹脂塗料が使われております。

一般の方が想像されているワックスは使用されておりせまん。

この専用のポリウレタン樹脂は、スポーツ競技に適したグリップと耐摩耗性などに優れた性能を有しています。

そのことからメンテナンスにも普通のフローリングと違った禁止事項が下記の通りあります。

ワックスがけ・水拭き・科学モップや兼用モップの使用

ワックス掛け・水拭きの禁止

よく使用者の方からも

ワックスが綺麗にかかっているね

なんていうことを言われることもありますが、最近の体育館は実はワックスは使っておりません!

むしろワックス掛けを禁止しております。

文部科学省とスポーツ庁からも「体育館の床板の剥離による負傷事故の防止について(通知)」がされており、

適切な清掃の実施(水拭き及びワックス掛けの禁止)

日常清掃及び特別清掃により,体育館の木製床を清潔に保つ。その際,水分の影響を最小限にする。

水拭き及びワックス掛けはフローリング等の不具合発生の観点からは,行うべきではないことなど,報告書を参考にして適切な清掃の方法を定め,書面にすることにより,実際に清掃を行う者に分かりやすく周知し,実施を徹底する。なお,やむを得ず体育館にワックスを使用する場合には,それに伴うフローリングへの水分の影響を最小限とするよう注意する。

と記載されている。

木製床の性質上、水分を吸うと膨張し、乾くと収縮します。過度な水分を与えることにより、膨張と収縮を繰り返し床板の変形に繋がります。そうして変形することで床板が反り返ったり、割れやササクレの原因となってしまうのです。

それとワックスには水分が多いだけなく、ポリウレタン樹脂塗料と比較して耐摩耗性が低いため、定期的に掛け直さないと滑りやすくなります。

さらに、補修や改修のためポリウレタン樹脂塗料を再塗装する場合、ワックスを塗った床はポリウレタン樹脂塗料をはじいてしまいます。そしてワックスの剥離作業には水分を含んだ剥離剤を使用するのですが、ある程度の時間床面に滞在させる必要があり、水分が浸透してしまいます。

科学モップ・兼用モップの使用

科学モップ(糸にホコリなどを吸いつける吸着材を塗布したモップ)には含まれている油性吸着剤がスポーツフロア塗装面に付くことで滑りやすくなる原因となってしまいます。

他の場所で使っているモップに関しても、他の部屋などからワックス成分や油分などを持ち込んでしまう可能性があります。

体育館には体育館専用モップをご利用ください。

体育館用には幅広モップがオススメですよ!

~ステップ②~ 定期的なメンテナンス

ここでは定期的なメンテナスについてご説明させていただきます。

【定期的】の頻度に関しては、施設の内容により変わってくるところもありますが、年3回程度は行いたいですね。

私の施設でも年3回の定期メンテナンスを実施しております。

メンテナンス剤の塗装

日々の清掃だけでは見落としてしまっている汚れ、ラバーマーク等を細かく取り除きます。

どうしても床面がすべりやすくなってしまう為、砂やほこりの除去をしながらグリップ力を回復させます。

因みに私の施設ではNONSLIPメンテナンスクリーナーGRIPメンテナンスクリーナーを状況に応じて使用しております。

床下点検

スポーツフロアの床下は鋼製の部材を使用し下地が作られてます。(組床式)

ここは床を支えている大事な箇所となる為点検は必須です!

床下に水は溜まっていないか。カビ集などはしないか。床鳴りはしていないか。重量のある物を運ぶ際に沈み込んでいないか。などスタッフが出来る範囲での点検は必ずしております。

しかし、実際床下での点検は専門知識を有する為、私の施設ではここに関しては専門の業者にお任せしております。

~ステップ③~ 削り替え&再塗装

日々の清掃・定期的なメンテナンスを繰り返しいても長年使用していると何処かのタイミングで大規模な改修は必要となります。

それが、削り替え&再塗装工事です。フローリングの表面を研磨することにより、木の劣化部分・細かな傷・古い塗膜を取り除き白木の状態にして、ウレタン塗装等で床が新品同様に蘇ります。

なのでこのステップ③に関しては10年~20年に1度の工程となるでしょう。

私の施設でも今年約20年ぶりにこの工事を行いましたが、張り替えたかのような綺麗さにビックリしました。

この工程は床を削る為、何度もできるものではありません。費用も時間もかかりますしね。

なのでスパンを長くしていく為にもステップ①、ステップ②を大切に行っていくことが大事となります。

まとめ

体育館の床をこうして綺麗に保たれております。

今あるものを綺麗に長く使っていく。とても大事なことだと思います。

体育館を利用する際には少し気にして使ってあげてください。

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